創業・融資のお話

創業計画書の記入ポイント5【事業の見通し】編【前半】

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創業計画書の【5.事業の見通し】の記入に当たって注意すべきポイントは?

創業計画書の4つめの項目に【5.事業の見通し】という欄があります。

ここでは今までの取引先との売上や仕入、事業を維持するうえでの必要経費を数値化することになります。

 

早速ポイントを見ていきましょう!

 

① 創業から軌道に乗るまでの間の流れを、エクセル等で作成しましょう!

 

所定の様式では、創業当初の欄と、軌道に乗った後の欄の2行しかありません。

 

できれば、この欄に記入する前に特に『創業当初』から『軌道に乗った後』までの間の、『軌道に乗るまでの間』の数字の動きを何らかの資料で作成しておいた方が面談時等の説得力が増します

 

また、経営力強化資金の制度の適用を受けるのであれば計画3期分を記入する欄があります

そちらの記入を先にして、創業計画書の方は後で整合性が取れるように作成すると記入が捗ります。

 

創業計画書のみの作成であれば、できれば毎月の推移をExcel等で作成しておいた方が、軌道に乗った後のデータまでの流れを説明しやすいので用意した方がいいと思います。

 

② 『売上高①』の項目は今までの項目である、『取扱商品・サービス』や『取引先・取引条件』で記入したことを基に整合性が取れるようにしましょう。

 

すでに記入した商品の単価や、売り上げシェアを基に売り上げを算出してみましょう。

 

例えば飲食店・理容・美容業等であれば主には、商品やサービスの販売単価×席数や見込客数×回転数×営業日数で商品ごとの売上高がでるはずです。

 

また、店舗での商品やサービスの販売がメインという業種では、販売単価×客数×営業日数を売上高とするのもいいと思います。

 

さらに、業種によっては対事業者という場合もあります。

その場合は、取引先の項目も重要になります。どの取引先に月々どのくらいの取引量を予定しているのかを基に、例えば加工業であれば『(自分の時間単価+材料費+販売までかかる諸経費等)×数量』で算出するのもいいかもしれません。

 

日本政策金融公庫の例として出ている売り上げの算出事例はあくまで事例です。創業者が選択する業種によってはもっと合理的かつ現実的な売上高の算式があれば採用してください

 

もっとも事例のどれかに結果的になるのであれば、それで問題はありません。

 

③ 『売上原価②』の項目は我々税理士が保有している情報や、業界情報等で原価率を参考にしてください。

 

たとえば、一つ売上原価の指標を上げてみると、喫茶店(カフェ等含む)のH26年1月~12月決算期の全国の売上高が5千万円未満の個人・法人の指標を見てみると、売上高に対する売上原価の率は黒字企業で24.8%でした。赤字企業は33.1%でした。

 

この具体的な指標はTKCのBASTという資料を基に記載しました。

このデータはTKCのシステムを利用して同じ勘定科目の配置のルールに従っている全国のお客様のデータが会社名を除いて集計されています。

それを業種ごとに平均化したものを黒字平均・赤字平均等又は地域又は売り上げ規模ごとのデータとして見ることができます。

私はいつもこのBASTのデータをお客様に提供したり、自社の業績の他社との比較の参考にしてもらっています。

BASTのデータは全国の会社のデータが統合されていますから、かなり有益な指標です。

このように、何らかの指標を参考に(特に黒字企業の指標)して設定してみてください

 

③ 『人件費』の項目については、従業員人数の欄との整合性を確認しましょう!

 

従業員人数の欄での人数を基に、月々いくらの給与にするのかの設定をしてください。

また、個人事業主(個人開業)であれば、自分の給与はここには入れないでくださいね。

逆に、家族従業員の給与についてはここの欄に記入することになります

最終の数字が算出出来たら、3.取引先・取引条件の最終欄の従業員等の項目との整合性をもう一度確認してください。

 

【まとめ:前半】原価率の設定等、専門家と密に打合せが吉です!

 

面談の際に、事業の見通しも創業者のみで作成した場合、その根拠を指摘され言葉に詰まるケースがちらほらあります。

できれば、数字的根拠を保有している専門家と指標等の設定の打合せをして、誰が見ても納得のできる数値を何度も打合せする事が重要だと思います。

また、優良企業の指標を参考に計画を立てていたら、融資のための計画書というだけでなく、融資が成立してからの自社の業績のナビゲーションとすることもできます。

 

ぜひ、どうせ苦労して創業計画書を作成するなら、走り出してからの自社の目標として活用できる指標を設定しておくと1度で2度美味しいです。

 

長くなったので、次回の投稿に続きます!

 

税理士平尾政嗣
創業計画書の作成の時点で、自社のナビ(計画)に実際の優良企業の指標を入れるとなお良いです

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